吹ク風ト、流ルル水ト。遠い、かすかな、光りと風と水と──

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自分以外のものになろうとするもの── 吹ク風ト、流ルル水ト。 23:31
昨日、「ひよ」が死んだ。ひよはうちに飼われていたおかめいんこである。わたしは少し泣いた。

グラツィエッラに捕らえあられたとき、ローラはきっときわめて幼かったに違いない──まだ雛同然だったのだ。だが六月にはもう大きさも三倍に、ニワトリくらいの大きさに成長した。翼も戻ってきていた、もうほとんど。だがそれでも飛ばなかった。と言うより、飛ぼうとしなかった。歩くほうを好んだのだ。犬たちが散歩に出かけると、そばをピョンピョン跳びながらついて行った。ある日わたしはふと、ローラは自分が鳥であることを知らないのではないか、と気づいた。自分を犬と思っていたのだ。グラツィエッラも同じ意見で、わたしたちは二人して笑った。楽しい奇妙な癖だと考え、こうしたローラの誤解がきっと悲劇に終わるとは、どちらも予想もしなかった──自分の本性を捨て、自分以外のものになろうとするものすべてに待ち受けている運命は、予想もできなかったのだ。
                                       「ローラ」 T・カポーティ          
                                                           ※ローラはカラスの名前
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