吹ク風ト、流ルル水ト。遠い、かすかな、光りと風と水と──

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アレキサンドリア── 吹ク風ト、流ルル水ト。 15:57
有山さん、ありがとう。

真の「手練」ともいうべき佐賀純一の聞き書き『浅草博徒一代』のなかに「アレキサンドリア」という項がある。この本は、明治・大正・昭和を生きた伊地知栄治というやくざの話を佐賀がまとめたものである。

 今でもアレキサンドリアという葡萄はあるでしょうが、昭和の初期でしたから、そ
んなものを食べる人間は滅多にいなかったんですね。当時はガラスの温室かなにかで
栽培していたんでしょうが、普通の人間はそんなものを見たことも聞いたこともない
時代です。兄貴はわたしに二十円の金を渡して、これで買え、と言う。わたしはびっ
くりして、
 「だって兄貴、こんなに買ったら持ちきれねえでしょう」と言った。
 すると兄貴は笑って、「馬鹿野郎、おめえも物の価値というものを知らねえな、そ
んなことでは恥をかくぞ、いいか、千疋屋に行って二十円出して見ろ、ほんの数える
ほどしかねえぜ」とこう言う。
 「そんな馬鹿なことがあるんですか」
 「ごたごた言ってねえで、銀座へ行って見ろ」
 それで半信半疑のまま千疋屋に行きました。そしたらなるほど兄貴の言う通りなん
です。二十円出してふた房しかない。たまげたものです。わたしは千疋屋の包を宝物
みたいに抱えて、新橋駅から電車に乗って大磯に行きました。
                                      『浅草博徒一代』

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